岡崎公園

岡崎市の市街地を見おろすように建っている岡崎城は、徳川家康が浜松城に本拠を移すまで徳川家の本城となった所であった。この岡崎城を中央に配した岡崎公園は、四季折々の花が咲き揃い、それぞれに違った表情を見せる。中でも、ソメイヨシノを中心に園内とその周辺に1,800本が咲くサクラは、毎年訪れる人々を魅了している。

岡崎市は愛知県のほぼ中央に位置する城下町である。矢作川と乙川が街の中で合流し、その清流が街の緑とともに美しい景観を演出している。また、徳川家康生誕の地としてつとに有名だが、そのシンボルともいえる岡崎城は、三河の守護代・西郷弾左衛門稠頼が康正元年に築城したもので、三河武士の武勇の基礎となった場所である。この城跡を中心とする丘陵地一帯を整備し、市民に開放したのが岡崎公園である。以降、三河武士のやかた「家康館」や能楽堂、茶屋などが築かれ、歴史と文化の公園として親しまれるようになった。

この公園は、名鉄名古屋本線の東岡崎駅から北西に15分ほど行ったところにある。公園は乙川と伊賀川に抱かれた格好になっていて、道すがら、春の河畔で花木の息吹きを聞くのも一興だ。4月初旬、園内と公園周辺に約1,800本のサクラが一斉に咲く。園内のサクラは約600本で、咲きはじめから1週間は見頃である。サクラは大半がソメイヨシノで、ほかにエドヒガンとシダレザクラも見られる。サクラを一望したい人は岡崎城の天守閣に登ってみるのもよい。

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