船岡城址公園・白石川堤

柴田町にある船岡城址公園は、船岡城が焼失した跡を整備拡張したものである。かつて激動の時代を力強く生き抜いた柴田も、今では蔵王連峰を仰ぎ、清らかな白石川が流れる町として多くの観光客で賑わいをみせている。春には、公園内に800本のサクラが咲き誇り、白石川堤のサクラと合せ東北有数の名所として人気を集めている。

船岡城は独立形山状の四保山(標高136.5メートル)の上に建てられた山城であった。規模は、四保山に連旦する根形、大森などの丘陵を合せれば周囲8キロにも及んでいた。しかし、明治2年に建物一切が焼失し、当時台所であった古井戸だけが残った。以後整備拡張して船岡公園として使用してきたが、昭和57年1月に公園名を船岡城址公園と変更し現在に至っている。

ここ船岡城址公園は全体が小高い山で形成されているので、サクラの時期になると山全体がピンク色に染まる。ほとんどがソメイヨシノでその数800本。そのほか、シダレザクラ30本、ヤエザクラ50本で、明治40年に植樹され樹齢は90年以上。また、本丸跡には亡き夫人の冥福と世の平和と安全の願いを込めて柴田町出身である故野口徳三郎翁により船岡平和観音が昭和50年10月に建立された。象の高さは24メートルで胎内をらせん状の階段が走り、展望窓からは眼下のサクラと遠く太平洋の海原まで一望できる。ここから白石川堤に降りていくと、さわやかな春の風に揺れる1,000本のソメイヨシノが出迎えてくれる。

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