ヒルガオ

夏至に咲く花・1日の生活史

 ヒルガオの漏斗形の花冠は直径4~5cmで,奥には雌しべを囲むドーナツ形の蜜腺があり蜜を分泌して昆虫を誘う。花はいつ咲きどのような昆虫が訪れるのか1日の生活をつづってみよう。

田中肇 神奈川歯科大学非常勤講師

開花と閉花

 ヒルガオの花は夏至の頃が盛りである。午前3時55分暗かった空に光がもどってくる頃,花冠は口を開き始める。それから15分ほど後,花は動き始め,4時30分から5時にかけて次々と開花し,見なれた漏斗形になる。この調査をした日の暦上の日の出時刻は4時29分であった。多数の昆虫の訪れをうけながら,午後1時を過ぎると半ば閉じる花が現れる。3時40分にはほぼ20%の花が花冠を閉じ,雄しべや雌しべが見えない状態になる。4時から5時にかけてほとんどの花が閉じて,花としての機能を終える。日没2時間ほど前である。

前の記事

ホタルブクロ