タンポポ

在来種と帰化種の生存競争
タンポポといえば,あの明るい黄色をした花だけでなく,冠毛をつけた果実がボールのようにまんまるになっている時のことをイメージしてしまう。実にロマンチックな姿だが,しかしその舞台裏では在来種と外来種の厳しい生存競争が行われている。そして,その勝負は外来種に軍配が上がりつつある。それぞれの生活史を追いながらその原因はいったいどんなところにあるのか,見ていくことにしよう。
山田卓三 兵庫教育大学教授

開花から結実まで
タンポポの花茎は開花までは垂直に伸び花期が終ると横に倒れる。そして再び伸長しながら立ちあがり,垂直になり,最も高い位置で種子を飛散させる。開花から結実までの日数は種類や時期,その時の気候条件によっても異なるがセイヨウタンポポでは10日~15日,在来種では13日~18日,シロバナタンポポで20日~25日ぐらいである。
